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イスタンブール istanbul



(※)



この柱のタイルが堂内でもっと も古いものです

無休。1616年建造。メフメット・アー Mehmet Aga 設計。
イスタンブールの顔。この街を訪れる観光客は必ずここに立ち寄ることになります。本堂を取り巻く6本の尖塔(ミナーレ)が特徴的。ドームの高さは43メー トル。このサイトの表紙はここの写真です。現役の寺院なので、1日5回あるお祈りの時は入場をひかえましょう。入口で靴を脱いで入ります。イスラム教の寺 院の内部はたいてい絨毯が敷き詰められていて、信徒はその上に正座して礼拝します。

ドーム裏側の天井

ドーム裏側の天井(※)



単眼鏡で観察

最初に訪れたときは年末だったせいか、各国の観光客でごった返していました。2回目に来たときは思ったよりも空いていて、ゆっくりと内部を見ることができ ました。青を基調としたタイルを多用しているため、「ブルーモスク」という名で呼ばれています。外観はぜんぜん青くありません。
ともかく広々とした空間に驚かされます。とりわけ、ステンドグラスから差し込む光が美しい。こういう広大な空間のなかで細部の装飾を見るときは、単眼鏡が あると便利です。でも、立ったまま単眼鏡で天井などを見ると、のけぞった挙げ句にひっくり返りそうになります。幸いこのときは空いていたので、絨毯の上に お座りして単眼鏡を使ってみました。絨毯はふかふかしてけっこう快適です。
ふと気がつくと、他の観光客もみんなまわりに座ってくつろぎ始め、一帯は「お休み処」のようになってしまいました。一般に欧米人は正座をしないので、自然 とおくつろぎ体勢になってしまうのですね。みなさんあちこち観光してまわって、だいぶお疲れだったのかもしれません(混雑しているときに座ると踏まれたり するので、お薦めしませんが)。〈2009.7.26.〉






(※)

ミンベル(説教壇)

右側斜めに見えるのがミンベル(説教壇)。イ スラム寺院になってからつけ加えられたもの(※)

月曜日休館・9:30〜16:30
ブルーモスクに隣接する博物館。かつてのギリシア正教の総本山。360年に建造された後、2度の焼失を経て、537年完成される。トラレス(現アイドゥ ン)のアンテミオス Anthemius of Tralles (474-534)とミレトスのイシドロス Isidorus of Miletus (生没年不詳)設計。1453年コンスタンチノープル陥落後、イスラム教の寺院となる。博物館として一般公開されるようになったのは1932年以降。

内部はこの建物の経歴をそのまま物語るかのような空間が広がっています。ビザンティンのモザイク画、アッラーや予言者たちの名前が描かれた巨大な円盤。キ リスト教とイスラム教が混在している不思議な空間です。
堂内北側の隅にある「聖母マリアの手形」、あるいは「濡れた柱」と呼ばれる柱をお見逃しなく。この柱の穴に親指を入れて、一回転させならがら願いごとをし ます。他の四本の指を柱につけたまま、無事に一回転できたら(またはその指が濡れていたら)、願いごとがかなうそうです。
簡単そうに見えますが、親指を入れて一回転させるというのはけっこうむずかしい。どういう手つきで回すのかをあらかじめ考えておかないと、手首を捻挫しそ うになります。指は何となく湿っているような濡れているような、よくわからない感じでした。回すのに一生懸命で、願いごとをするのを忘れてしまった!?

2階のモザイク画

2階のモザイク画

ここを訪れたら、ぜひ2階の回廊に行ってみてください。美しいモザイク画が残されています。このときは他の場所にあるモザイク画の写真展もやっていまし た。2階からだと壁や手すりなどの装飾も近くで見られます。ここから全体を見渡すと、ゆったりとした広がりを感じることができるでしょう。
バチカンのサン・ピエトロ大聖堂は、アヤソフィアよりも大きな聖堂を作ろうと意図したもので、ドームの高さはここよりもわずかに高くなっています。イスタ ンブール滞在の4日後、サン・ピエトロ大聖堂を訪れる機会がありました。たしかにカトリックの総本山だけあって、豪華で荘厳な聖堂です。しかし垂直方向ば かりが強調されているため、妙に狭く重苦しい印象を受けました。内部装飾の問題もあるかもしれませんが。〈2009.7.26.〉




考古学博物館の門

門も立派です(※)

考古学博物館

これが考古学博物館(※)

月曜日休館・9:30〜17:00
トプカプ宮殿の前庭を、向かって左の方に下っていったところが入口です。考古学博物館、装飾タイル博物館、古代東方博物館が同じ敷地内にあります。トルコ 語表記が複数形になっているのはそのためでしょう。
膨大なコレクションです。2回行きましたが、考古学博物館だけでも全部見ることができません。おまけにこれだけたくさん展示物があるのに、内部に食堂がな い!何故?(もしかすると東方博物館の方にあるのかもしれませんが、そちらはまだよく見ていないからわからない)。入場は1日1回のみ有効。つまり、1度 なかに入ってしまうと食事にありつけないのです。コーヒースタンドにお茶とお菓子類がちょっと置いてあるだけ。中庭に四阿のようなキオスクもありますが、 2回とも寒い季節だったせいか閉まっていました。
最初に行ったときは閉館間近で、館内を走り回っておしまい。2回目は丸一日見学するつもりで行ったものの、途中であまりの空腹に耐えかねて出てきてしまい ました。「花より団子」というよりも、「腹が減っては戦はできぬ」という心境。腰をすえてゆっくり見ようという場合は、食料を持参した方がよろしいかと思 われます。

アレキサンダー大王の石棺

アレキサンダー大王の石棺(※)

ミイラ

こんなのもあります(※)

入口を入ってすぐのところにある「アレキサンダー大王の石棺」が素晴らしい。非常によい保存状態です。照明も工夫されています。これだけ優れた展示物なの に、何故かいつもそれほど混んでいません。椅子も置いてあるので、座ってゆっくり眺めることができます。他の場所にももっと椅子がほしいと思うのですが。 お手洗いは新館の奥の方にしかなく、ちょっと不便です。

奥まった部屋で展示物のデッサンをしている学生が何人かいました。美術学校の課題なのでしょうか。こういう場所を頻繁に訪れて勉強ができるというのは、う らやましい限りです。でも彼らは自分たちの境遇をとくに喜んでいる様子でもなく、仲間とふざけあったり、イヤフォンで音楽を聞きながらデッサンをしたり。 うーん、それもいいなあ…〈2009.7.26.〉。



バザール内の漬け物屋

バザール内の漬け物屋(※)

日・祝日閉場・8:30〜19:00
ガラタ橋の旧市街側、エミノニュにあるバ ザール。1660年カズム・アー Kazim Aga設計。かつてはエジプトから運ばれた香辛料などを扱う市場だったことから、スパイス・バザールとも呼ばれています。シュレイマニエ・ジャーミー近く のグランド・バザールは規模が大きくて有名ですが、こちらはもう少しこぢんまりとした庶民的な市場です。
グランド・バザールの方は貴金属や革製品 といった高価な品を扱うお店が多いのに較べて、ここは香辛料やコーヒー、ドライフルーツ、ナッツ、チーズなど、食料品のお店が多く並んでいます。からすみ やキャビアといった高級食材のお店も。バザールの周辺には金物屋からペット、鉢植え、植物の種や球根、台所用品、衣料雑貨等々、日用品のお店がひしめき合 い、週末ともなると地元の買い物客で大にぎわいです。値札がきちんとついている商品が多いため、安心して買い物ができます。
わたしはここで、トラブゾン産白いチーズ 500グラム(約300円)、赤唐辛子のペースト200グラムパック(約150円)、ピスタチオナッツ500グラム(約500円)、オリーブオイルの石鹸 (約100円)、エッセンシャルオイル(20cc約320円)、ローストチキン1羽(約700円)などを購入しました。焼きたてローストチキン、柔らかく ておしかった!



バザール場外にある焼き肉屋(※)



三種類の焼き肉が並んでいます(※)

これは人だ かりがしていた焼き肉屋。「ココレッチ屋 Kokorecci」という看板が魅力的です。ココレッチは羊のモツをあぶり焼きにしたもの。小さく刻んで野菜と一緒にパンにはさんだりして食べます。支 柱に巻きつけ、横に並べて焼いているのがそれです。どちらかというとお父さんたちが好むものだとか。日本の「もつ焼き」に近い感じなのでしょうか。てきぱ きと注文をこなしていく店のおじさんの手元に、熱い眼差しを注ぐお父さんたちがたくさんいました。
一方、縦に立てて焼いているのは「ドネル・ケバブ doner kebabi 」。最近は日本でもすっかりお馴染みになりました。支柱に肉を刺して回転させながら焼き、焼けたところを薄く削いで食べます。左側の白っぽいのはチキン、 中央の黒っぽいのは羊。肉の円錐が大きいお店ほどおいしいケバブ屋だといわれています。
値段を見るとココレッチの方が少し高めです。フルサイズのココレッチサンドは7TL(約420円)、ハーフや4分の1サイズもあるみたいですね。挑戦した いような気もしますが…。4分の1サイズなら大丈夫かな?
おいしそうなものがあふれている市場。こういう場所は楽しい!〈2009.8.26.〉



 


見るからに複雑な建物です



  内部

水曜日休館・9:00〜16:30
アヤソフィアと並ぶビザンチン美術の宝庫。11世紀に正教会修道院の付属教会堂として建設。モザイク画とフレスコ画は14世紀のものです。増改築が数世紀 にわたっておこなわれたため、建物全体が複雑な構造になっています。16世紀からはイスラム寺院として使われていましたが、20世紀になってから博物館と なりました。
テオドシウスの城壁近く、エディルネカプと呼ばれる門の内側にあります。当時このあたりは郊外だったため、「郊外の修道院」という名前でも呼ばれていまし た。今はタクシム広場からバスで20分程度のところです。



  モザイク画(※)



  天井ドームのフレスコ画

アヤソフィアのモザイク画も素晴らしいけれど、ここもたいへん見応えがあります。建物が小さい分だけ、金色に輝くモザイクの光が降ってくるようです。壁画 はジャーミー時代に漆喰で塗り隠されていましたが、それがかえって保存に役立ったのかもしれません。フレスコ画は剥落している部分があるものの、色がよく 残されています。





  金色に輝くテッセラ

最初に来たときはちょうど大型観光バスが到着したときに重なってしまい、なかなかの混雑ぶりでした。月曜日は他の主要な博物館が休館のため、ここに観光客 が殺到します。月曜日は避けた方が無難でしょう。今回は他の曜日の午前中だったせいか、閑散としていました。警備員のお兄さんは、中に入りたそうにしてい る猫を何となく追っ払っています。ギリシア正教の聖職者グループが熱心に見学していたのが印象的でした。周辺の様子はこちら。〈2010.6.8.〉






  元ブリストル・ホテル

月曜日休館・10:00〜19:00
新市街イスティクラル通りの中ほどを西に下ったところ、テペバシュTepebasiと呼ばれる地域にペラ博物館があります。ここは1893年にホテルとし て建造された建物を使い、2005年にオープンした博物館です。常設展はローマ時代からオスマン時代までの測量機器コレクション、キュタフヤ Kutahyaのタイルと磁器のコレクション、17世紀から20世紀初頭までのイスタンブールの風景や日常生活を描いた油絵のコレクションという具合に、 大きく3つのセクションに分かれています。特別展はちょうどこのとき「シャガール展」をやっていました。



  さまざまな意匠の重り



  キュタフヤの磁器



  エレベータの扉に名作「亀使い」が

どのコレクションも見応えがあります。展示物が見やすいように、展示の仕方や照明などにずいぶん気を遣っているように感じられます。とくに面白かったのは 油絵セクションでした。トルコ近代絵画を代表するオスマン・ハムディ・ベイOsman Hamdi Beyの「亀使い」や「ふたりの少女演奏家」などがあります。それから、オスマン時代にトルコを訪れたヨーロッパ人画家による風景画や風物画も非常に興味 深いものでした。おびただしい点数です。いずれも近代ヨーロッパの技法で描かれたイスタンブール。海峡の風景やジャーミーの尖塔、街ゆく人々の様子は、お そらく彼らにたいへんエキゾチックに感じられたことでしょう。
こんなに充実した博物館が街中のこんなに便利な場所にあるなんて、何だかびっくりしてしまいます。このときはなぜか来館者がほとんどいなかったので、思い がけずゆっくり楽しむことができました。おまけにこの博物館にはとても素敵なカフェが併設されています。「シャガール展」とカフェの様子はこちらをごらん ください。〈2010. 6.30.〉



  たいへんモダンなフロア



  ヨーロッパ人の描いたイスタンブール






イスタンブール・モデルン



  こちらでチケットを購入します



  すぐ裏手にジャーミーが

月曜日休館。木曜日以外10:00〜18:00、木曜日10:00〜20:00
トルコで唯一といわれる近代美術館。2004年、新市街トプハーネTophaneにある船舶ターミナル跡地に開館。展示内容は近代というよりも現代のもの で、トルコの代表的な作家による油絵、インスタレーション、写真、映像作品など。空間の使い方がぜいたくです。他には映画を含むさまざまな企画展が開催さ れています。6歳から12歳までの子供のためのギャラリーもあり、子供向けの企画にも趣向をこらしているようです。芸術教育に熱心な姿勢がうかがわれま す。
トルコではめずらしく館内撮影禁止。ヨーロッパと同様、トルコのほとんどの博物館や美術館ではフラッシュを使わない限り自由に写真を撮れますが、ここでは 写真が撮れなかったため、内部の様子をご紹介ことができず残念です。
「コンテンポラリー・イス タ ンブール」でも少し触れましたが、表現の技術水準は高いものばかりです。意表を突く作品あり、見ていて楽しくなる作品ありなの ですが、油絵などの場合、色彩が独特でちょっと暗い印象を受けます。



  カフェテラス



  アジア側の街並み



  トプカプとアヤソフィア

特筆すべきはこの美術館のカフェです。船舶ターミナルの跡地にできただけあって、カフェからボスポラス海峡が一望の下に見渡せます。東にはアジア側の街並 み、南は金閣湾の向こうにトプカプ宮殿やアヤソフィアが見えます。オープンテラスから身を乗り出して北を見ればボスポラス大橋が。すぐ目の前をカモメが飛 び交い、豪華客船やタンカー、フェリーなどが海峡を行き来しています。これだけの眺めを見渡せるスポットは、イスタンブール市内でもそれほど多くはないで しょう。
テラス席だけではなく屋内にも広々としたテーブル席があり、絶景とともに食事やアルコールを楽しめるようになっています。「モデルン」の名にふさわしい洗 練されたセンスのインテリアやカトラリー。現代美術に関心がなくてもこのカフェはおすすめできます。次回は夜に来て、ここからの夜景を絶対見てみようと心 に誓ったのでした。〈2010.7.11.〉






博物館入口



  展示室



  金属製円盤の地図

火曜日休館・9:00〜19:00
イスラム科学技術歴史博物館はトプカプ宮殿に近いギュルハーネ公園の中にあります。トラムのギュルハーネ駅で降りて、道沿いに少し上がった左側です。 2007年開館。文字通りイスラム世界の科学に関するさまざまな機器が展示されています。
内部は天文学、医学、化学、光学、兵器技術などのセクションに分かれ、展示方法にも工夫が凝らされてたいへん見やすくなっています。ほとんどの展示物は資 料や現物をもとに復元されたものです。そのため、金属製の計測機器や医療機器はぴかぴか光っていてなかなか迫力があります。



13世紀の天体観測器



14世紀の水時計

8世紀から16世紀にかけて発達したイスラム科学は、当時世界最高の水準にありました。ヨーロッパにこうした科学が入ってきたのは12世紀になってから。 もちろんイスタンブールは13世紀まで東ローマ帝国だったわけですから、この街にとってはそれ以前から使われていたものも並んでいることになります。とは いえ、科学的発想はもとをたどれば古代ギリシアに行き当たります。古代ギリシャの都市がたくさんあったトルコに、こういう博物館があるというのも興味深い ことですね。



巨大な天体模型。真ん中にあるのは地球儀。

あれこれ眺めているうちに、展示物の向こうに見える石積みの壁が気になりました。妙な場所で奥が深くなっていたり、石の間に鉄の輪っかがはまっていたりし ます。訊ねてみたら、ここはかつてトプカプ宮殿の付属建物で、宮殿を訪れた来賓の馬車などを停める場所として使われていたとか。鉄の輪っかは馬をつないで おくためのものだそうです。昔の設備をうまく見せながら、当時の最新技術を展示するというコンセプトでしょうか。あまりツーリスティックな博物館ではあり ませんが、なかなかしゃれています。そういえばここのお手洗いはびっくりするほどモダンなデザインで、ターコイズブルーのタイルがとてもおしゃれでした。 この博物館に行ったら、忘れずに寄ってみてくださいね(!?)。〈2011.6.5.〉

〈この項続く〉