フズリさんの部屋
Fuzuli’nin Odası その1
これがフズリさんです
このサイトのあちこちで登場するフズリさんについてご紹介します。
わたしたちが初めてトルコを訪れたのは07年。20名のグループ旅行でした。このとき、現地のスルーガイドとして案内をしてくれたのがフズリさんです。
のっけからフズリさんは「おやじギャグ言ってもいいですか?」と宣言。それ以降、わたしたちは突然襲ってくるフズリさんの迷ギャグに心をなごませる(?)
ことになりました。
日本のお父さんが駄洒落を乱発しても「やれやれ」ですが、トルコのお父さんが日本語で駄洒落を繰り出すと、何だかびっくりします。おまけにネタは全部自分
で考えたそうです。日本語で駄洒落を考えるフズリさん、トルコ語だったらいったいどうなるんでしょう?…もちろん普通の日本語もお上手でした。
しかしこのくらいで驚いてはいけません。彼のトルコに関する知識の質と量にまたまたびっくり。流暢な日本語を駆使して、各地方の文化、歴史、経済、産業、
果てはそこらへんに生えている植物の名前まで、ありとあらゆることを丁寧に説明してくれます。そしてつねに臨機応変、かつこまやかな気遣いを見せてくれま
した。プロフェッショナルを感じます。おかげでわたしたちは、ひときわ印象的なトルコ旅行を楽しむことができたのでした。
それからしばらくたった09年、再びトルコを訪れる機会がありました。今度は家族ふたりの個人旅行です。イスタンブールを中心に10日間の滞在。このとき
はほとんど自分たちだけで歩いて回りましたが、エディルネ一泊旅行とイスタンブール半日ドライブはフズリさんに案内してもらいました。
そのときのことはエディルネの項などでくわしくご紹介します
が、それはもうとんでもなく楽しかっ
た!参加者2名という完全なプライベートツアーだったの
で、彼は自分の車で案内をしてくれました。そして通常の観光ではほとんど行かないような、あるいは交通手段がなくて行けないような隠れた名所を回ったので
す。
もちろん食事や休憩、買い物、散策など、すべて自分たちのペースでゆっくり過ごしました。眺めのよいところでは車を停めて、心ゆくまで写真を撮ったり景色
を眺めたり、小学校の校庭で遊んでいる子供たちと仲良くなったり。行く先々で得がたい経験がたくさんできました。
いってみればフズリさんは通訳、ガイド、運転手の三役を務めてくれたことになります。今までずいぶんあちこち旅行をしてきましたが、こんな旅行はしたこと
がありません。地元の情報に明るい水先案内人がいると、こんなにも充実した旅行ができるものかと驚くばかりです。
一緒に旅行をしている間に、フズリさんがもっとたくさんの日本の方々にトルコの魅力を知っていただきたいと思っていることを知りました。そこで、カフェ・
ボスポラスの一角でフズリさんの紹介をしてみようと考えた次第です。
わたしもトルコに魅了された一員として、ささやかながら何かお手伝いできれば嬉しく思います。〈2009.7.26〉
お仕事中
フズリ・ブルット Fuzuli BULUT
1952年、中央アナトリアのシヴァス県生まれ。
東部アナトリア、エルズルムの大学を卒業。専攻はフランス語。国費留学生としてフランスに留学。また、ベルギーのNATO軍基地で通訳兵として兵役に就く
*。
観光省の専門講座を受講後、国家試験を経て、1975年トルコ国内ツーリストガイドのライセンスを修得。高校でフランス語の教員を務めるかたわらガイドを
始め、1987年よりガイドに専念する。1997年、日本語ツーリストガイドのライセンス修得。
TUREB
(トルコ・ツーリストガイド協会連盟 Turist Rehberleri Birligi)、IRO
(イスタンブール・ツーリストガイド組合 Istanbul Rehberler Odasi)所属。
イスタンブール在住。俳号、普図利(ふずり)**。
* トルコでは徴兵制度があり、成人男性は一定期間兵役に就かなければなりません。
**07年の旅行のとき、グループ内で旅中連句を催していました。その様子を見ていたフズリさん、連句にいたく関心を持ったようで飛び入り参加。俳号はこ
のときのものです。「広く観光客の利便を図る」の意。う〜ん、ぴったり!
※フズリさんの案内でトルコ観光をなさった方々のサイトをリンクしています。こち
らも併せてごらんください。〈2009.7.26〉
観光途中の休憩所
トルコ国内であれば、どんなコースでもどんな日程でも、フズリさんがアレンジしてくれます。ギリシア・ローマ遺跡めぐり、世界遺産ツアー、カッパドキア散
策、キリスト教遺跡探訪。もちろん周遊だけではなく、イスタンブール市内観光などのピンポイント観光もOK。自分たちの目的や関心に合わせて、フズリさん
がベストコースを案内します。行く場所に迷ったら適切な助言をしてくれるので、困ることはありません。
ホテルの予約や移動の手配、食事、買い物など、旅行に関することはお手のもの。すべてこちらの希望や予算に応じて手配をしてくれます。たとえば移動の際の
乗り物は、バンから大型バスまで、そのときの人数に合わせてもっとも快適なセレクトができます。
旅行中の食事は楽しみのひとつですが、何を食べるかは重要な問題です。そのときの体調や気分によって食べたいものは変わります。そういう場合も、現地の事
情が許す限り、こちらの希望に合わせておいしいものにありつくことができるでしょう。メニューの説明を聞きながら、自分たちであれこれお料理を選べるのも
うれしいことですね。
つまり、気楽で安心できるパッケージツアーと、自由気ままにのんびりできる個人旅行、両方のいいところを一度に味わえるのがプライベートツアーです。団体
旅行は忙しくてちょっと…でも自分たちだけで観光するのは大変…とお考えの方にはぴったりではないでしょうか。
たとえば、以前パッケージツアーでトルコの主要な観光地は回ったけれど、今度はもっと別の場所に行ってみたい、でも旅行会社のツアーでそこを訪れるものが
見当たらない…という場合も問題ありません。日本・トルコ往復の航空券さえご用意くだされば、イスタンブールの空港に到着したあとはすべておまかせです。
空港からホテルの送迎、観光地の移動、食事その他、通常のパッケージツアーとほとんど変わらない旅行が楽しめます。しかもそれが、全部自分たちの好みに合
わせてできるわけというです。
日本発のパッケージツアーには、イスタンブール自由行動の日が組み込まれていることがあります。そんなときの1日観光も大丈夫。もう見てしまったところは
省いて他に行きたいところだけ回ったり、もう一度ゆっくり見たいところに行くなど、自由にプランニングできます。限られた時間を有効に使いたいとき、
ちょっと珍しいコースを希望するとき、プライベートツアーはとても便利です。
もちろんイスタンブールには、現地発のパッケージツアーを企画している旅行会社がたくさんあります。イスタンブール1日観光、エディルネやブルサ日帰りツ
アー、一泊トロイツアー等々。しかしどれもけっこう馬鹿にならない料金です。
旅行会社によっては、パッケージではなくガイドつきプライベートツアーや、ガイドと運転手つきで乗り物の手配などを行っているところもないことはありませ
ん。これらを使って観光するとなると、当然パッケージツアーよりも高い料金になります。しかもガイドといってもたいていは英語。日本語のガイドとなるとさ
らにエキストラ料金がつくことがほとんどです。
その点フズリさんはとても良心的でした。わたしたちがエディルネに一泊したときは、ガイド料1日1万円。車代1日1万円、プラスガソリン代8000円。こ
れだけです。もちろんホテル代や食事代は別ですが、それでも現地旅行会社の「日帰りエディルネパッケージツアー」に申し込むよりはるかに経済的でした。コ
ストパフォーマンスを考えると感動的ですらあります。
トルコ旅行をお考えなら、ぜひフズリさんにお声をおかけください。ご夫婦やご家族、お友だちなどと一緒に、手作り感覚のプライベートツアーを満喫すること
ができるでしょう。
フズリさんは仕事柄ツアーに出ていることが多く、普段なかなか連絡を取ることができません。それに日本語を話すのはとても上手ですが、日本語を読んだり書
いたりするのはむずかしいそうです。そんなわけで、ご質問やご相談等について管理人がお手伝いをさせていただくことになりました。
あくまでも個人的なお手伝いですので、ご相談、お見積もり等の費用はいっさいかかりません。旅行の計画が整い、渡航されましたら、現地でフズリさんにガイ
ド料その他の費用を直接お渡しください。
見どころが満載のトルコ。旅行の仕方は無限にあります。素敵な手作り旅行を多くの方に楽しんでいただきたいと思っています。みなさまのメールをお待ちして
おります。
メールはこ
ちらからどうぞ。〈2009.7.26〉
エフェソスのアルテミス神殿跡
「カフェ・ボスポラス」を開設してちょうど一年たちました。
ウェッブ情報に疎いうえ、「デジタルで写真を撮る」ということすらほとんどなかった管理人(要するに機械関係が苦手なだけ?)。当初はどうなることかとう
ろたえていましたが、おかげさまで何とか無事に一周年を迎えることができました。この間、当サイトにいらしてくださった方々に心からお礼申しあげます。
とくにフズリさんの案内でトルコ観光をなさった方から、お便りや写真、問い合わせ等をずいぶん頂戴しました。いずれの方もトルコの自然や文化に直接触れ
て、トルコという国を気に入ってくださったようで嬉しく思います。
今回ご紹介した写真も、今年トルコ旅行にいらした方から送られてきたものです(写真を掲載するに当たって、こころよくご承諾くださったお客さまに感謝いた
します)。エフェソスのアルテミス神殿跡は、柱が一本ぽつり
と立っているだけなのがかえって印象的です
ね。この柱のてっぺんはコウノトリの絶好の営巣地になっているとか。
なかなか思うように更新することができず、「早く次が見たい!」と催促のお便りをいただくこともありました。お待たせしてしまうことが多くて申しわけあり
ません。みなさまからのお声に励まされつつ、これからも少しずついろいろな風景をお伝えしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
〈2010.7.26.〉
フズリさんと歩く「知られざるイスタンブール」ツアー
珍しい装飾のミナーレ
にぎやかな市場とジャーミー
オーダーメイドのプライベートツアー案内を得意とするフズリさんから、イスタンブール市内の隠れた名所旧跡を回るツアーが提案されました。
これはパッケージツアーなどで定番観光地をすでに見学してしまった方や、ガイドブックには出ていない「ディープ・イスタンブール」を訪ねてみたい方、ビザ
ンティンやオスマントルコの歴史に関心がある方にふさわしいツアーです。
イスタンブール旧市街は「歴史地区」として世界遺産に登録されているだけあって、どこを歩いても歴史的建造物やモニュメントにぶつかります。見どころはス
ルタンアフメット・ジャーミーやアヤソフィア、トプ
カプ宮殿だけではありません。ごく普通の庶民的な下町のそこかしこに、ビザンティンやオスマンの遺構が
ひっそりと隠れているのです。
このツアーでは、そこに住む人々の暮らしぶりを垣間見ながら、隠された歴史スポットを歩いて回ります。観光地めぐりでは触れることのできない、素顔のイス
タンブールに出会うことができるでしょう。
忽然と現れるビザンティン時代の修道院
フレッシュなハーブや唐辛子
実は管理人はイスタンブール滞在中、フズリさんから教えてもらっていくつかのポイントに行ってみようとしました。ほとんどがトラムでは行きにくく、路線バ
スを使って近くまで行き、あとは歩いて回るしかないような不便な場所にあります。イスタンブールの「ど真ん中」といってもいい場所なのに、なかなかアクセ
スがむずかしいところばかりです。事前にバスの停留所などを確認して近くまでたどりついたものの、複雑に入り組んだ狭い路地で道に迷い(地図を持っている
にもかかわらず)、結局目指す場所にたどりつけなかった、という情けないことが何回もありました。
もちろん目的地の近くでは、地元のみなさんに尋ねて回ります。さすがにこういう地域では英語はあまり通じません。でもトルコの人々はとても親切ですから、
こちらが困っているとよってたかって助けてくれようとします。
まず、買い物かごをさげたお母さんに尋ねてみました。しかしどうもよくわからない様子。お母さんはそばで立ち話をしているおじさん二人組にも訊いてくれま
す。おじさん二人はにわかに活気づき、あっちだこっちだと議論を始めます。それを見た通りすがりのお兄さんも仲間に加わって…。
道ばたに人だかりができてわあわあやっていたのですが、結局「わからないから、あっちの方にある役所に行って聞け」ということになりました。「せっかく外
国のひとが自分たちの町を訪ねてきてくれたのに、よくわからなくて申しわけない」と謝られ、かえってこちらが恐縮してしまいます。
場合によってはまるで見当違いの場所を教えられ、行けども行けどもたどり着かなかったこともあります。これは悪気があるわけではなく、何かを尋ねられると
「知らない」と答えられない、何でもいいから何か答えないと相手にすまない、というトルコ人に特有の過剰な親切心のなせる技、なのだそうです。
等身大のイスタンブール
つまりこのツアーは、地元の人もよく知らないような場所を回るコースといっていいでしょう。
たとえば歴史はあるけれど規模が小さいジャーミーの場合、正式な名称とは別に、地元の人たちが普段使っている「通り名」のようなものがあるようです。もち
ろん通り名は地図に出ていません。そしてご近所さんは普段こちらの名前を使っているため、正式名称をはっきり覚えているとは限らないのです。何ヶ所か訪ね
歩いているうちに、こうした現地事情があるということに気がつきました。うまくたどりつけたとしても、うっかり見落としてしまうこともあります。自力で隠
れたスポットを探し出すのはなかなか大変でした。
結局管理人は後日フズリさんにお願いして、くわしい説明を聞きながら案内してもらうことになりました。イスタンブール滞在をさらに楽しく充実させるため
に、フズリさんが考えたコースの概略をご紹介いたしましょう。〈2013.6.16.〉
その1:ビザンティンとオスマントルコ歴史探訪&郷土料理グルメツアー
4世紀に造られた水道橋
ビザンティン時代の教会跡
道の真ん中にモニュメントが建っています
このツアーは、ビザンティン時代とオスマン時代の遺構を徒歩でたどります。たずねる場所は、かつてイスタンブールの中心地として栄えた地域。ヴァレンス水
道橋周辺には、狭い範囲に教会やジャーミーなど歴史的建造物がひしめいています。現在は庶民的な下町といった感じなので、活気に満ちた市場などをのぞきな
がら歴史スポットを見学することができます。
しかもこのエリアには、どういうわけか昔からトルコ各地方の郷土料理を出すお店が多く集まっているのです。故郷の味がなつかしくなった人々がわざわざ足を
運ぶくらいなので、味の方は折り紙つき。イスタンブールにいながらにして、黒海地方や南東アナトリア地方の本格料理がいただけます。
コラーゲンたっぷり!羊のスープ
昔ビザンティン教会、いまジャーミー
フレスコ画の名残
たとえば中央アナトリアから南東アナトリアにかけて一般的な羊の足のスープ。白濁したスープのなかに皮付きの足がごろんと入っています。こういうスープは
専門店でなければ食べられません。羊の足は見た目や食感が豚足そっくり。スープも豚骨スープに似ていますが、意外にあっさりして塩味もたいへん控えめ。
テーブルにはおろしたレモンの皮とにんにく入りのお酢が置いてあるので、お好みでこれを振っていただくと風味が加わっておいしいものです。寒い冬の朝には
体が温まってぴったりかもしれません。
腹ごしらえが済んだら、いよいよ見学開始です。バス通りに面して公園のようになっているのは、5世紀ごろの教会跡。敷地内に大きな桜の木があって、春にな
ると見事な花を咲かせます。付近にはビザンティン時代の宮殿などが多くあったそうです。道の真ん中にある石柱も5世紀建造のもので、ギリシャ神話に出てく
る勝利の女神ニケの姿が彫られています。
写真の教会はコンスタンティン・リップス教会。10世紀に建てられ、13世紀にもうひとつ礼拝堂が増設されたため、2つの建物がくっついた構造になってい
ます。オスマン時代にジャーミーとなり、いまも現役です。ビザンティン時代にキリスト教の教会だった建物がジャーミーに転用されたという例は多く、この周
辺には他にもたくさんあります。ここは内部のアーチにフレスコ画がわずかに残されていました。
地中海地方の食品を扱う店
伝統菓子
ハーブ入りチーズ各種
廃屋となったオスマン時代の民家
見晴らしのいい場所でちょっと休憩
次の目的地に行く途中、地元商店街といった風情の小路を抜けていきます。クリームのないロールケーキみたいなものをシロップに浸した甘い甘い伝統菓子、南
東アナトリア地方のハーブ入りチーズを売るお店など、ちょこっとお味見をしたり、お土産を買ったりできます。歩き疲れたら、金閣湾を眺めながらお茶という
のもいい気分です。
昔ビザンティン修道院、いまジャーミー
イスラム教の聖人の墓所
黒海地方のピデ
こちらは丸型玉子つき
この修道院は12世紀建造。丸いドームの屋根が瓦葺きになっており、こういうスタイルのものはイスタンブールでただひとつしかありません。現在は「古い
スープキッチン・ジャーミー」という名前のジャーミーになっています。かつて振る舞いの食事を出す食堂に使われていたのでしょうか。
その近くで偶然見つけたのは、イスラム教の聖人の墓所です。イスタンブールで没した三大聖人のうちの一人のお墓で、わざと見つけにくい場所に葬られたと伝
えられています。このお墓を一生懸命探してお参りをした人にはご利益があるとかで、信心深い人々が熱心にお祈りをしていました。
この日のお昼は黒海地方のピデ。ピデはトルコ版ピザで、地方によっていろいろな形があります。両端のとがった細長い筒状になっているのが黒海地方の特徴で
す。この中に具が入っていて、別添えのバターを塗ってかじりつきます。小麦粉の香ばしい香りが立ちのぼって、あつあつのぱりぱり。黒海地方は乳製品、とく
にバターやチーズがおいしくて有名です。もちろんここのバターも産地直送。コクのあるバターが小麦粉の香りと相まって、素晴らしいハーモニーを奏でていま
す。丸型の方の具はコンビーフに似たカヴルマで、こちらもなかなかのボリュームでした。
シェフザーデ・ジャーミー
路地に遺構が
聖人がお籠もりしたジャーミー
道ばたでのんびり
苺の屋台、1キロ250円!
南東アナトリア名物、吊るし焼きにした羊の脚
バス通りを渡ってしばらくすると、大きな美しいジャーミーが見えてきます。シェフザーデ・ジャーミーはスルタンの命によって建立された最初の大型ジャー
ミーです。ミマール・シナン設計。境内にはスルタンゆかりの人々の霊廟があり、付属複合施設も残されています。
付近にはオスマン様式の古い民家や邸宅がたくさん並んでいます。一歩裏通りに入ると、洗濯物がひるがえる小路に水道橋の名残が。人々の生活のなかに、歴史
が息づいているようです。他にもイスラム教の聖人が何年もお籠もりをした小部屋が残っているジャーミーや17世紀の神学校、敷地内に4世紀の浴場跡が残る
教会(現在はジャーミー)、何年も修復作業が続いていて、公開が待たれる建物など、興味深い場所が次々と現れます。見どころがたくさんありすぎて、とても
ここで全部取り上げることができません。
そんなわけで、ご紹介したのはこのツアーのほんの一部です。本当につぶさに見て回ったら、何日もかかってしまうかもしれません。まだまだイスタンブールに
は、知られていない名所がたくさんあるということを実感した一日だったのでした。〈2013.6.16.〉
シュレイマニエ・ジャーミー
「知られざるイスタンブール」ツアーは、プライベートのフリーツアーを前提としているので、コースが固定されたパッケージツアーではありません。あくまで
も自由な街歩きのモデルコースとしてお考えください。実際にはお客さまのご希望をうかがってから、最終的なルートを決定し、フズリさんがご案内いたしま
す。ここにご紹介したスポットを一例として、ディープなイスタンブール散策をお楽しみください。
ペルデ・ピラウ(チキン入りピラフ特製衣包み
焼き)
「その1:ビザンティンとオスマントルコ歴史探訪&郷土料理グルメツアー」
◆所要時間の目安:午前9時ごろから午後5時ごろまで
◆料金:1グループにつき2万2千円
◆ガイド料、ガイド諸経費含む
◆お客さまの交通費、昼食、博物館などの入場料、ガイドチップ含まず
◆公共の乗り物使用、見学は徒歩
◆ホテル送迎つき(公共の交通機関使用)
「ビザンティンとオスマントルコ歴史探訪&郷土料理グルメツアー」の場合、所要時間は午前9時ごろから午後5時ごろまでとなります。お泊まりのホ
テルまでフズリさんがお迎えにあがり、公共の乗り物を使って見学先の近くまで移動、徒歩で見学します。ツアー終了後は、公共の乗物でホテルまでお送りしま
す。
昼食はもちろん、地元の人たちに評判のトルコ郷土料理レストランで。
料金はご1名さま分ではなく、1グループの金額です。料金にはガイド料、ガイド諸経費が含まれています。お客さまの交通費、昼食代、博物館などの入場料、
ガイドチップは含まれていません。
水道橋の遺構とフズリさん
フズリさんは日本語ぺらぺらですが、読み書きはむずかしいということなので、管理人が個人的にお取り次ぎのお手伝いをしております。ツアーのご相談、お見
積もり等に費用は一切かかりません。ツアー料金は現地でフズリさんに直接お支払いください。
詳細はこちらまで、日本語でお気軽にお問い合わせください。〈2013.6.16.〉
浅草駅で
日本の列車は快適です
2016年2月末、フズリさんが日本にやってきました。フズリさんは今までトルコから日本観光のお客さまを連れて、何度かガイドとして来たことがありま
す。今回はトルコに帰国するお客さまを成田空港でお見送りした後、何泊か東京に滞在して自由旅行をするということでした。
普段は仕事で観光地を回るフズリさん、この機会に単独行動でのんびり見物するのかと思いきや、次回からの日本ツアーでトルコ人観光客を案内する場所を開拓
するそうです。鎌倉や日光にも行ってみたいというので、その案内を兼ねてわたしも一緒に歩くことになりました。
フズリさんはツアーガイドとして都内や京都のメジャーな観光地にはたびたび訪れていますが、いずれも貸し切りバスで移動することがほとんどです。自由旅行
で地下鉄などに乗ったりするのは初めてなので、まずはパスモを購入。次々とやって来る地下鉄に感心したり、車内の吊り広告をめずらしそうに眺めています。
そういえばイスタンブールのメトロはかなり間隔が空いているし、ひらひらとはためく吊り広告もなかったのでした。
鶴岡八幡
銭洗い弁天
ご利益やいかに
二月の桜
長谷寺境内
春の海
食べ物を狙うトンビに注意
江ノ電にも乗りました
鎌倉を訪れたときは、大仏と若宮大路の段葛が修理点検中で見られませんでした。実に残念です。それでも鶴岡八幡、銭洗い弁天、高徳院、長谷寺と見学。銭洗
い弁天ではかなり真剣に(?)トルコリラ札を洗っていました。ご利益あるといいですね。閑静できれいな住宅街を散歩して、いたくお気に召した様子です。江
ノ電に乗ったり小町通りで買い物したり、暖かく晴れた1日を古都でのんびり過ごしました。
日光到着
神橋
東照宮唐門
雪だるま制作中
作品
二荒山神社で運試し
日光はまだかなり寒く、所々に雪が残っていました。陽明門も長期修復中です。それでもフズリさんは熱心に三猿や眠り猫など、見事な彫刻の数々を見学してい
ました。二荒山神社の「運試し輪投げ」にはまってしまったようで、「入るまでやります」って。それはちょっと運試しではないような気がしますが。
日本の美味いろいろ
鉄板焼きも
「日本のビールおいしい」
ツアーガイドの仕事中はお客さまのお世話に忙しく、食事もままならないことが多いようです。今回はせっかくの機会なので、見学の後にゆっくり日本料理を味
わってもらいましょう。都内観光中にたまたま昼食に入った中華料理店が思いがけず大当たりで、こちらもひいきの店が増えたというオマケつきでした。
今年は何回か日本ツアーでやってくる予定があるというフズリさん。今回下見で歩いた場所はどこも日本情緒豊かな名所ばかりです。日本人のわたしも久しぶり
に訪れてみて、しみじみ感じ入るものがありました。トルコのお客さまたちも気に入ってくださることを願っています。〈2016.3.29.〉
〈この項続く〉
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